フィリピンである程度遠出がしたい時は、配車アプリ「Uber(ウーバー)」や「Grab(グラブ)」が便利です。乗車位置と目的地をアプリに入力すれば、自分がいるところまで車が迎えに来てくれ、目的地まで連れて行っていってくれます。
マニラに半年ほど住んでいるという日本人男性(28)は、「マニラのタクシーは、メーターが改造されていて高額請求をされることがあります。実際に僕も一度、とんでもない額を請求されたことがあり、そこからはなるべくアプリを利用するようにしています」と話してくれました。
さて、しかしながらその代表的な配車アプリのひとつ、「Uber」がフィリピンでは8月15日より利用できなくなっています。これはフィリピン陸上交通許認可規制委員会(LTFRB)の指示によるものでした。
*2017年8月29日よりUberが営業を再開しました。詳細はこちらへ
「Uber」が営業停止した理由
背景としては「Uber」、「Grab」の両者とも従来のタクシー業者の抗議を受けるなどして、LTFRBと協議していました。その結果、営業許可などの取り決めが終わるまでの間、新たにドライバーを増やさない方針で合意。しかしながら、「Uber」はドライバーの募集を続けていることが発覚し、1カ月の営業停止を受けていたのです。
「Uber」はその営業停止勧告を無視し、決定に対し反発していたものの、今月16日にはついにその決定に従うべく、フィリピン国内の報道局「ABS-CBN」のウェブサイトに掲載されたビデオで、「Uber」のアジア太平洋地域担当ゼネラルマネージャー、マイケル・ブラウン氏が「するべきことがあれば全て対応します。何か過去に誤解のようなことがあったのなら、謝罪いたします」とLTFRBに正式に謝罪し、営業停止の決定を尊重することを誓いました。
フィリピン留学生にどんな影響が?
「Uber」が利用できない今、留学生の間では遠出をする際に「Grab」を利用することが中心です。車のサイズも選ぶことができるのが、大勢で出かける時にも嬉しい。昨日僕が友達と6人で出かけた時も、大きめのサイズの車を呼び出し、全員で乗り込むことができました。(本来、道で拾うタクシーは4名程度)
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「Uber」が営業停止になったことにより利用者に影響が出ているかということですが、普段よく配車アプリを利用しているという日本人男性(22)によると「うーん、まぁ少し以前より車が捕まりにくくなった気がしますが、不便を感じるほどではないですね」とのこと。また、マニラ在住のフィリピン人(27)によると、「若干『Grab』の方が安い気がするけれどサービス内容は個人的にほぼ同じ」だそう。
おわりに
先ほどフィリピンで配車アプリが流行った背景には、流しのタクシーの悪質さが一因にあると述べましたが、それは主に労働環境の過酷さから来るものだと思われます。
僕がマニラ・ニノイアキノ空港から寮まで向かう時に拾ったタクシーで、運転手さんが色々と話してくれました。その運転手さんは空港と契約しているドライバーなので給料は安定しているようですが、労働日は24時間運転を続けなくてはいけないようです。
「空港でピックアップ、目的地まで送り届けたのち空港まで帰還。どうしても眠いときは空港に戻った時に30分~2時間は仮眠をとるけれど、仮眠後はまた運転をする。いまはちょうど運転して21時間目くらいかな。もう慣れたけど最初の方は眠かったなぁ」
街で拾えるタクシーもドライバーは売上の中から車のレンタル費用・ガソリン代を払わなくてはいけない場合があるらしく、ドライバーが赤字を抱えることもあるのだとか。過剰請求せざるをえない環境があるのも理解ができます。
おび
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