フィリピンの大学進学率ってどのくらい?という疑問に答えるべく、6年間分の推移データをご紹介します。また、フィリピンの知られざる教育事情や高等教育機関にまつわる様々なデータを掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
フィリピンの教育事情データ
画像引用:Education in the Philippines. by WENR
公立校数 | 5965 |
私立校数 | 4910 |
義務教育 | 13年間(幼稚園1年、小学校6年、中学校4年、高校2年)
K12=1,6,4,2(2011年に施行開始、以前まではK10制度) |
学校年度 | 6月〜3月(初等〜中等教育)
6,8,9月〜(高等教育機関) |
教育予算 | 2018年度は1兆1300億円(USD $ 10.26 billion、1ドル110円の計算)
国家予算の24%を占める(予算項目の中で二番目に大きい、前年比+1.7%) |
教師対生徒比率
生徒対教室比率 |
38:1(2010),29:1(2013)
64:1(2010),47:1(2013) |
初等教育修了率
中等教育入学率 |
70%(2005),83%(2015)
60%(2005),68.15%(2015) |
幼稚園入学率
*貧困層入学率 |
55%(2010),74.6%(2015)
33%(2008),63%(2013) *国民全体の20%にあたる貧困層家庭 |
中等教育修了率 | 75%(2010),74%(2015) |
教育問題(推測) | 4万3000人の教師不足、3万の教室不足(2045年までに人口が1.42億人) |
フィリピンの教育事情をデータでまとめると上記の通りです。ポイントとしては、ドゥテルテ新政権になってからは大幅に教育予算が割り当てられ、教育水準の底上げが行われているということです。
フィリピンの教育制度は2010年までK10という小学校6年、中学校4年のみしかありませんでした。このK10を採択していた国はフィリピンを含めて世界でたった3つ(アフリカのアンゴラ共和国とジブチ共和国)。
国自体がこの教育問題に注力するタイミングが遅かったため、フィリピンの教育水準は近隣のASEAN諸国と比べると低いというのが現状です。少し不利な状況ではありますが、新政権が急ピッチで教育問題に取り組んでいます。
フィリピンの大学進学率の推移
画像引用:Education in the Philippines. by WENR
- 2013年度=313万6324人
- 2014年度=338万4260人(35.7%)
- 2015年度=365万9482人
- 2016年度=314万9916人
- 2017年度=248万2844人
- 2018年度=267万2769人
6年間分の推移データは上記の通りとなります。K12が施行された影響で、高等学校で勉強する期間が2年間追加されました。そのため国民のなかには、大学進学に必要な費用がまかなえない家庭が続出し、2017年度と18年度の減少に繋がっています。
上記の数値からわかるようにフィリピンの大学進学率は約30%というのが妥当です。2017年度の教育予算は前年比で+25%と同年の国家予算割合で最も大きく占めた項目でした(ドゥテルテ大統領が国立・州立大学などの学費無償化を行ったため)。
しかしながら、国立や州立大学に通っている12%しか低所得家庭でないため、実際にこの法案が可決して恩恵を得たのは富裕層ではないか、という批判もあります。K12スタート→大学への入学者減少→大学無償化の法案にサイン→効果はあまりない?
一方で、今後の見通しとしては2019年度以降はフィリピンの大学進学率は再び回復して、政策が順調にいけば右肩上がりで伸びていくという予測が立てられています。
理由としては①国民のK12制度に対する理解が深まり②教育に対する投資意欲が高まる③政府の教育予算が上昇傾向にある④経済成長率が毎年6%超で1人あたりの所得が増えているため。
フィリピンの高等教育機関
画像引用:Education in the Philippines. by WENR
国公立数 | 233(12%) |
州立大学 | 112 |
公立大学 | 107 |
その他 | 14 |
私立大学数 | 1710(88%) |
高等教育機関数 | 1776(2007年)、1943(2016年) |
フィリピン共和国はアジアで唯一のキリスト教信者が国民の大半(約80%)を占める国です。スペインの植民地として3世紀以上も支配され、1898年からはアメリカによって50年間ほど統治されました。
1946年に独立を果たしてからも、アメリカによる徹底した英語教育と近代的な教育システムは今もなお受け継がれています。フィリピンの私立高等教育機関で、よく宗教教育(主にRoman Catholic)が行われるのも当時の名残です。
フィリピンの高等教育機関数に関しては、東南アジア諸国と比較するとかなり数が大きいです。例えば、人口と経済規模が同程度のベトナムには、436大学(2014年)しかありません。日本の場合でも約750大学ほどですので、少し多すぎる気もします。
外部留学生 | 5,087人(1999年),14,696人(2016年) |
内部留学生 | 7,766人(2011年) 6,432人(2014年),8,208人(2015年) |
人気外国籍 | 韓国、中国、インド、イラン、サウジアラビア、その他 |
語学留学生数 | 韓国人:2万4000人(2012年)、日本人:3万5000人(2015年) |
フィリピン国外に学部留学する(外部留学生)人数は、約15年間で3倍に膨れ上がりました。それでも近隣諸国のベトナムやマレーシア、インドネシアと比べると、まだまだ国際的な流動性は高くないと言えます。
しかし、K12施行の影響で海外の大学に編入したり交換留学制度を活用できる利便性が確実に高まったこと、フィリピンの経済成長率の発展と人口ボーナスが発生しているため、今後は急激に学部留学するフィリピン人学生が増えると予測されています。
一方で、フィリピン国内に学部留学する(内部留学生)については、韓国や中国などをはじめとするアジア諸国とサウジアラビアなどの中東圏から人気があるようです。
実は、この中で約20%の割合を占めている国籍は韓国なのですが、その大きな要因として挙げられる理由は英語留学先国としての人気があるからです。
2000年代からフィリピン英語留学が韓国市場で浸透したため、今ではその延長線上でフィリピン学部留学という選択肢が確立しました。
今後は、日本からの学部留学生および正規留学生数の増加もかなり期待できるでしょう。
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