日本と同じアジアにも関わらず「世界第3位の英語公用国」として知られているフィリピン。現地の語学学校で英語講師をしている3人の方に「日本人にオススメの英語学習法」を聞いてみました。
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はじめに
イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンの「国別英語能力指数 EF EPI 2016」という国別英語能力指数を調査したデータによると、日本のランクは35位。
調査がはじまった2011年と比較すると、この6年間で英語能力がむしろ低下していることも明らかになっています。(ちなみにこの調査では、フィリピンは13位) 参考記事:なんでフィリピン人は英語を流暢に話せるの?
あくまでこの調査によると39位は中国ですが、27位の韓国、30位の香港、33位の台湾と近隣諸国に水をあけられています。一般的にも、「日本人は英語ができない」というのはよく言われています。
データおよび個人的経験からも世界全体で見て「日本人は英語ができない」とは特には言えないと思うのですが、確かに先進国で、しかもこれだけ「英語教育が盛んである」という条件を考えれば「日本人は英語が苦手」というのは確かに言えると思われます。
そんな日本人に対して、有効な勉強法はあるのか。C21の講師3人に聞いてみました。
1人目の英語学習法
ミッキーさん。C21で英語を教えて5年間。コールセンターで電話対応から新人のトレーニングまで経験し、ネイティブの英語にも慣れています。学校で最も英語力の高い先生との誉れも高く、とある先生は「彼がいなければ学校は回らない」とも。
ミッキー:人それぞれに合った勉強法が無限にあります。私の場合は「とにかく映画が好きで、とにかく映画を観て」英語に触れていました。コールセンターで働いていたので、ネイティブの英語に触れる機会も多かったです。
しかし、他のやり方で英語を習得した例もあります。私は双子なのですが、彼女はとにかく本が好きです。私たちの部屋の本棚は、片方が私のDVDで埋め尽くされていて、片方は彼女の小説で埋め尽くされています。
彼女は英語の発音はネイティブのようとは言えませんが、普通のネイティブ以上に豊富な語彙で英語を使って表現ができます。詩を書くのも好きですね。
ざっくり分けると、聞くか読むか。自分に合った方法を探し、とにかくのめり込むこと。自分だけで勉強するのも、もちろん大切です。
しかし、時には「誤解したまま学習を進めることになる」ので、インターネットでフィリピン人やネイティブの指導を受けるなどをして、定期的に自身の英語学習をチェックしてみてはどうでしょうか。関連記事:フィリピン人講師が指摘する「日本人が英語を話せない3つの理由」
2人目の英語学習法
英語をC21で教えて3年間になるMCさん。他の先生、生徒からの信頼も厚く、人気教師の一人です。「毎日が勉強の連続だ」と語る彼女の授業はとても丁寧。
MC:日本人の生徒は特に文法ができます。日本の英語教育が文法に力を入れていることがよくわかります。しかし、ネイティブや私たちにとって文法はリスニングやスピーキングの後についてくるもの。
「文法は現実世界ではそこまで使い物にならない」です。ですから、日本人生徒には可能な限り話す訓練をすることを要求しています。日常会話ではそこまで難しい語彙が必要とされることはありません。
日本では特に英語を使う機会が多くないと聞きます。そんなとき、私の昔の生徒が効果的だと話していた勉強法は、「鏡に向かって話すこと」です。
英語は口の動きも大事です。日本語よりも大きく口を開けて話すことになるため、鏡を見てネイティブの口の動きなどをイメージしながら英語を話してみてください。
また、動機付けも必須です。「自分がなぜ英語を勉強したいのか」を常に意識すること。目的がはっきりしていないと勉強もはかどりません。
3人目の英語学習法
英語を教えて6年間。様々な年代・国籍の学生に英語を教えてきたコリンさん。どんなトピックにも臨機応変に対応してくれる彼女の授業は僕のお気に入りの授業のひとつです。
コリン:「年代によって教え方、勉強法が変わってくる」というのが正直なところです。子どもにはYouTubeなどを使って、まず英語に興味を持ってもらうことが大事ですし、10代には語彙や文法、正しい文の作り方を中心に教えます。大学生にはとにかく聞くこと、話すことをメインに教えます。
日本人はシャイでおとなしいというのがステレオタイプではありますが、例外はあれど実際にそういった傾向はあると思います。日本にも外国人観光客が相当数訪れると思いますので、思いきって話しかけてみること。
大学生の場合は、大学にも留学生がいますよね。
基本的には、英語を身につけるためには3ステップが必要です。
まずは「ライティング」などを通して文法を簡単に学ぶこと。日本人はここに時間をかけすぎています。次にひたすら「読む」こと。そしてひたすら「聞く」こと。発音を確かめるためには「Merriam Webstar Dictionary」というアプリがオススメです。
おわりに
1人目のミッキーさんによると、ざっくりわけて「聞く」か「読む」。どちらが自分に向いているかを探って、ひたすらのめり込むこと。聞くことが好きなら英語字幕の映画や洋楽。読むことが好きなら英語で書かれた小説などを探してみましょう、とのこと。オンラインでのレッスンも日本に住んでいる場合は効果的。
2人目のMCさん「できるだけ話す訓練をすることが大事」で、鏡に向かって話すなどの訓練も日本に住んでいる日本人にはおすすめだそう。3人目のコリンさん。ライティング、読む、聞くのステップを適切に踏むことが大切だそうです。
英語がネイティブ並にできるフィリピン人は幼少期から英語のテレビ番組などに触れているケースが多いようです。少しずつでも英語のドラマや映画などを見て、英語音声に慣れていくことが彼らの共通のやり方であるように個人的には感じています。
僕はどちらかと言うと文字が好きな方なのですが、最近は「ネットフリックス」を使って英語音声に触れるように心がけています。
おび
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