通称Ode(オデ)は、ちまたで「TOEICの神様」と生徒から称されるほどのカリスマ講師です。彼女のカリスマ性あるTOEICの教授法が生徒からとても評判です。オデは現在、フィリピンのイロイロという地域にある語学学校「GITC」でTOEICコースの総責任者を務めています。また、現役でTOEICコースのグループクラスをメインに教鞭をとっています。
彼女は2003年からGITC(旧C&C)に勤めており、オデが教えてきた卒業生は1000人をかるく超えます。韓国人・日本人・台湾人などの多国籍の生徒に対し10年以上TOEICを教え、多くのTOEIC高得点取得者をフィリピンで輩出してきました。
そんなオデにインタビューをしましたので、英語で行った取材内容を基に記事にしたいと思います。
TOEICの神様「オデ」とは?
e-studentのりょーたです。ぼくは高校生の時に2か月間留学したのですが、その際にオデに出会いました。わかりやすく説明すると、日本にいるTOEICのカリスマ講師をオデに置き換えるとイメージががしやすいと思います。
オデはもちろんTOEIC満点取得者ですが、ティーチング能力はもちろん、生徒のモチベーションをあげるのに長けていたりと「とにかくコーチング力」が非常に高いです。
ぼくも、当時の目標がTOEIC800点だったにも関わらず、オデに初めて出会った日に目標スコアを半強制的に900点に設定させられました(笑)結果的にたった2か月間という期間で留学前のTOEIC630 点というスコアからTOEIC905 点にまで上げることができました。
もちろん、このスコアは彼女がいたからこその点数だと確信しています。ぼく意外にも、彼女の教え子や卒業生には数え切れないほどのそのような成功体験談があります。その数多くある体験の1つだけですが、こちらの留学体験談にも載せてありますので是非ご覧ください。それでは本題のインタビュ―記事をお楽しみください!
敏腕の弁護士?それとも元ニート!?
―いつから教師としてのキャリアを始めましたか?
2003年からGITCのチューター(講師)としてESLコースを教え始めました。教師として初めてデビューした時もこのC&Cでした。だからこの時からずっとC&Cで働いています。TOEICを本格的に教え始めたのは、たしか2004年頃で、ちょうどTOEICテストが旧タイプの時でした。
―もっと以前から教師をしていたと思っていました。その前は何をしていたんですか?
もともと法律学を学んでいて、弁護士を目指していました。国家資格も取得し、弁護士としての仕事を始めましたが、結局この職業は自分に向いてないと思い、キャリアチェンジをしました。
実際の職場では、かなりの勤務時間が必要とされ、とてもストレスに感じたからです。最終的に、3年ほど弁護士として働いた後、教師としてのキャリアをスタートしました。
―弁護士もやられていたんですね。そしたら、弁護士をやる前の20代、30代の頃は何をされていたんですか?
ナッシング(笑)20代、30代の頃はとくに何もしてなかったです。職も転々とし、何かをやりたいっていうものもありませんでした。とにかく、なんにもしたくなかった時代です(笑)
教師はオデにとっての天職
(オデはTOEICコースを担当する全ての講師を管理するTOEIC総合マネジャー)
―今のオデの姿を見るとそんな想像はつかないです。それで、何か自分を変えるきっかけがあったのですか?
もちろん、30代も過ぎてこれからの事を考えないといけないという、焦りとか責任みたいなものが段々とでてきました。年齢を迎えたことがきっかけで、仕事に対しても真剣に考えるようになりました。
それで、色んな職業を転々として、弁護士にも挑戦してみたり、そして結局辿り着いたのがこの「教師という職業」です。2003年からC&Cに来て以来、ずっと現役の教師として指導をしてきました(約13年間)。
こんなに職業が続くことは初めてですし、教えることはすごく好きなので、自分の居場所だと思うし天職だと思います。
―オデの家族がアメリカ出身だと聞いたことがあるのですが。
いま姉の1人がアメリカに住んでいます。でも家族はみんなフィリピン出身で、私はフィリピンのイロイロで生まれたけど、育ったのはセブです。
だから、私のタガログ語の発音はイロンゴよりセブアーノ語に近い。アメリカ滞在歴は約5年くらいです。
―これまでの話だけだと「なぜOdeがTOEICの神様になれたのか」という疑問がまだ解決できないんですが…講師としてのキャリアも比較的遅くスタートしたのに、どのようにして今のようなポジションを確立できたのですか?
それは家系のおかげだと思います。私の両親が2人とも教育者だし、兄弟も大学で教授として勤務していたり、とにかく私の家族とか親戚は教育に携わっている人が多いの。
だから、私も教師という仕事を長年やっているけど、本当に好きって感じるし、楽しい。
給料とか報酬は弁護士とか他の職業の方が良いかもしれないけど、満足感とか充実感の観点からみると断然、教師の方が良いと私は思う。
特に、生徒が目標のTOEICスコアを達成した時とか、生徒が少しづつ成長している姿を見れた時が一番の最高の瞬間だなって感じます。
9才の時に出会った”スクラブル”
―そういえば、オデは英語のなにかの大会のワールドチャンピオンだと前から聞いていました。
スクラブル大会のことね!フィリピン代表で出場して、たしか公式で5回ほど出場したことがあります。2015年のオーストラリアの大会でも女性部門では優勝しました。
スクラブル(Scrabble)は1948年にアメリカで作られた、単語を作成して得点を競うボードゲームである。なお、英語版に加え、現在ではフランス語、スペイン語、ロシア語等様々な言語で発売されているが、本項では専ら英語版について取り上げる。その起源は1938年に”Lexiko”をベースにクロスワードパズル的要素を付加した”Criss-Crosswords”である(ちなみに、このころからずっと文字コマの枚数と得点の割り当ては変わっていない)。弁護士の”James Brunot”が1948年に、ボード上に倍率が設定されたマスを追加しルールを簡略化して発売した。1953年にJamesはこのゲームの権利をSelchow and Righter社(今日もマテルの子会社として存在している)に売却、イギリスやオーストラリアでも発売されるようになった。Selchow and Righter社は1986年に権利をコレコ社に売却するが、程なくしてハズブロ社に渡っている。米国では今でもポピュラーなボードゲームのひとつである。出典:「スクラブル」Wikipedia
―オデにスクラブル世界大会の戦績の事を聞いても本人はあまり覚えていなかったので(笑)ぼくが少しリサーチをしました。2011年のスクラブル世界大会公式ホームページ(英語版)によると、女性部門の個人戦において、オデはワールドチャンピオンに二回選ばれたそうです(開催年は不明)。
このスクラブル世界大会は、ウィキペディアによると二年に1回もしくは1年に1回の期間で開催されており、団体戦と個人戦の両方が行われ、世界各国からのエントリーもあるそうです(日本も参加経歴あり)。このスクラブルゲームは世界中で愛されているワードゲームで、多くのアプリ等も発売されています。大会の開催場所は様々な国で行われています(2015年はオーストラリア)。もちろんオデが出場したのは、英語版のスクラブル世界大会です。
―素晴らしい経歴ですね。いつ頃からこのゲームを始めたのですか?
スクランブル大会は私にとってもの凄く大切なものなの。9歳からこのゲームを始めて、今でも大会に出場し続けています。それほどこのゲーム自体が好きだし、ずっとプレイをしてきました。
だから、弁護士になった時は忙しくて、このゲームを継続することができなくなって、それが弁護士を辞める理由にもなったんです。でも、教師は英語を教える仕事だし、弁護士と比べると時間にまだゆとりがあったから、ゲームを続けることができているの。
教育者としてのオデの姿
(C&Cの先生や生徒との集合写真)
―TOEICの試験内容が2016年の5月29日から変わると聞きました。
その話はだいぶ前から聞いていました。今はエバン(韓国人校長)から貰ったTOEICの新しい形式のサンプルを研究しているけど「全然それじゃ足りないから、もっと頂戴!」と言っているところなの(笑)
私が新形式を見た限り、以前のようなただ暗記すれば得点が取れるようなテクニック力だけでは通用しづらくなっています。今回は特に「Comprehension (理解力)」に焦点が当てられて、文脈のつながりや全体像を素早く掴みとって答えを導き出す能力が必要です。
あとは今までのTOEICの要素にはなかった、日常生活で使われるようなイディオムやフレーズ等の「自然な英語表現」がパート6等にも取り込まれています。
今回のTOEIC形式変更に際して、いまその対策として特に力を入れているがComprehension(理解力)です。
ケンジとかマキにも既にComprehensionを高めるために、1日7~8コマのうち1コマは読解力理解の授業を取ってもらっていますさらに、今回の変更点ではリーディングだけではなくリスニングパートも変更されたので、今後しっかりと新TOEIC形式を研究していきます。
オデの変わらないメッセージ
―最後に、TOEIC学習者やフィリピン留学検討者にメッセージをお願いします。
いつも私はC&Cの生徒にこう言っています。
「もしあなたがTOEIC800点取りたい、900点取りたいと言うのであれば、ただそれを願っているだけでは意味がない。もし本当にその目標を達成したいなら、それに値する努力をしなさい。高得点を本当に取りたいと言うなら、図書館に行って勉強しなさい。真剣に、集中して、決意して勉強しなさい。」
―ぼくが生徒だった時にも、よく同じセリフを言っていました。たとえ、TOEICの試験内容が変わってもOdeのメッセージは変わらないんですね。彼女の口癖は「You will definitely get high score if you are super-motivated!! 」です。
前回TOEICの形式が変わったのは2006年。その時も試験内容から文法の要素が減り、文法の法則をただ暗記して、テクニックだけで通用する形式を変えようとしていました。
2006年からでも、2016年にテストが変わろうが、私のメッセージは変わりません。たとえ今後、TOEIC試験が変わっても高得点を取ることが不可能になるとは思っていません。
あと、英語学習者に具体的なアドバイスをするなら、Comprehension(理解力)を身に着けるには英語の本を読むことです。また、フィリピンの語学学校で学んでいる人にとって大切なことは「学ぼうとする姿勢」です。
なにかのきっかっけで「学ぶものはここにはない」と見切りをつけたり、諦めたりしたら「何も学ぶことはできません」。なぜなら、その瞬間にあなたの可能性を閉ざしているからです。
もし本当にあなたがここフィリピンで英語やTOEICを学びたいなら、常に英語の知識や情報にオープンになるべきです。英語を習得しよう、目標を達成しようという姿勢を普段から示すことが大切です。
私はいつも他の講師にこう言っています
「私たちは、頭が良い生徒を求める必要はない。なぜなら、頭が良い生徒は少しだけ背中を押してあげるだけで、結果を残すことができるから。頭が良い生徒は教師が努力をしなくても、勝手に結果を出すことができる。私が必要な生徒は、頭がそこまで良くなくてもモチベーションが高い生徒、意識が高い生徒です。」
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